火災保険

雨どいの修繕にも火災保険が使える?

ある現場のお宅の壁の下の方が、写真のように傷んでいました。

これでは、壁から雨水がしみ込んで雨もりするのは時間の問題。もしかしたら、既に雨もりしているかもしれません。
壁がここまで腐って傷んでしまった理由はその真上の曲がった雨どいにあります。

雨どいの役割

雨どいの役割や重要性は一般的にはあまり知られていないようです。
雨どいは、雨が家の中に入ってくるのを防ぎ、建物の腐食を避ける重要な役割があります。雨が屋根の軒先から直接外壁に伝わり、外壁の内部を腐食させてしまいます。
屋根から雨が直接地面に落ちると、地面からはねた雨水が外壁にあたり、やはり痛みます。
雨どいは、雨から家を守ってくれている重要な役割があるのです。

上田市 S邸の事例

2階の雨どいが雪の重みで曲がっていて、雨が降るとその曲がった所からすぐ下の1階の屋根に雨があたっていました。雨があたる1階の屋根の色が変わっていたのですぐわかったんです。
Sさんに「このままだと雨もりしますよ」と言ったら、「もうすでに雨もりしてます」、とのこと。
雨もりしている1階の屋根をはがしてみたら、下地の木部が腐っていて穴があいていました。

なので、下地の張替えから屋根の交換までして100万以上かかる大工事になりました。

そんなことになる前にもっと安価ですぐにできる雨どい修理をしていたら・・・

室内に雨もりしていないからと軽く考えて雨どいの損傷をそのまま放置しておくと、基礎の劣化、外傷の損傷、屋根の痛み、雨もりだけでなく最悪の場合家の建て替えという大被害になりかねません。
最近多い地震、台風、豪雨などの自然災害は屋根や雨どいを悪くさせる一番の原因です。

家を長持ちさせるために一番大切なのは「水」を防ぐこと

そもそも家が傷んでしまう一番の理由は湿気、水気です。
高温多湿な日本では水の侵入をいかに防ぐかが重要なんです。

自分でできる簡単な手入れとしては毎日の「換気や通気」。週に一度は「念入りな掃除機かけ」、月に一度は「床や玄関ドアの水ぶき」。

それでも傷んでくるのは屋根や外壁からの雨水の侵入が考えられます。
普段は見えない柱や屋根裏が傷んで屋根の木部や下地が腐食してきます。

ほとんどの人は雨のシミや雨もりがしてから気がつくことが多いのですが、気がつかない間に見えない所でずいぶん前からはじまっていたものなのです。

特に築10年以上たった家はこのような危険が考えられます。

外部からの雨水の侵入や雨漏りの原因はいくつもあり、簡単ではないケースも多いので専門家に相談するのがよいでしょう。

屋根や雨どい修理費を無料にする方法があった?!

自然災害による家の被害は、火災保険を使うことでそのほとんどが無料で修理ができます。
火災保険とは建物・家財の損害に対する保険です。

「火事の時だけの補償でしょ?」と思っている方が多いのですが、そうではなく、「火災、落雷、破裂、爆風、風災、水災、雪災」が基本の補償です。

火災保険であれば、どの項目も基本的には補償されています。

●風災補償・雪災補償

「風・雪」による瓦のずれ、浮き、雨どいのはずれ、曲がり、軒天のはがれ、カーポート屋根の補償などの損害が発生した場合、保険会社がその損害金額=修理費用を負担してくれます。

特に雨どいは台風や雪などの災害で壊れやすい場所です。

2014年の大雪で火災保険がおりた件数は全国で2万6千件、1件あたりの支払い額は平均115万円です。
★火災保険がおりやすい破損は次の写真のような状態です。
漆喰のはがれ
漆喰のはがれ
雨どいのまがり
大棟のくずれ、はみだし
軒天のはがれ
ベランダやカーポートの屋根の破損
「うちは古いから」「長年の経年による劣化だから」「保険はおりないんじゃない?」
そう思う方もいるのですが、築10年以上の家の70%は火災保険がおります。

火災保険で屋根、雨どいを修理するには

①保険会社もしくは保険代理店に連絡して損傷の内容を伝える
②保険申請の書類を送ってもらう
③屋根修理業者から「修理見積書」と「損害部位の写真をもらう」
④保険金の確定と入金

①保険会社と屋根修理業者に連絡する

第1回目の連絡が重要です。
保険会社への電話での言い方は、以下のように言ってください。

「おととしの雪で雨どい(または屋根、カーポート)が傷んだので保険の申請したい」
「去年の台風で瓦がズレた、浮いた」
「屋根業者に見てもらったらそう言われた」


ポイント①
決して劣化したとか、古いからとか言わないようにしてください。
経年劣化では火災保険はおりません。

ポイント②
3年以上前の被害は火災保険対象外です。
いつ被害にあったかわからなくても3年以内と言っておきましょう。
被害の年月日がわかると申請しやすくなります。

ポイント③
損傷の症状によって雪災なのか風災なのか違うので屋根業者さんと相談すると良いでしょう。

②保険申請用紙

保険会社が保険金請求書と事故状況説明書を送ってくれます。
保険会社によって書類の内容は違いますが、難しい記入はありません。
名前、住所、保険金の振り込み先、損傷部位(雨どい、瓦、アンテナ)などを記入します。

③屋根修理業者から「修理見積書」と「損害部位の写真をもらう」

●損傷部位の写真をもらう
保険会社から依頼を受けた鑑定人が家に来て実際に損傷程度を見る場合と、損傷部位の写真を送る場合とがあります。
見に来る場合は来てもらって構わないのですが、写真を撮る場合は一般の方が屋根にあがるのは危険です。屋根業者さんに撮ってもらいましょう。
写真は家全体、損傷部位の全体とアップが写っているもので最低10枚は撮るといいでしょう。

●見積書をもらう
この見積書の金額によっておりる保険の金額が決まってくるので最も重要です。
修繕費用は20万以下の場合は保険で請求できませんので業者に見積もりをもらう際には20万円以上の見積もりを書いてもらう必要があります。
雨どい工事には足場が必要な場合が多いです。
足場は思った以上に高額なので、たいてい20万円を超えると思います。
雨どいの場合は縦に伸びている縦どいと横に伸びている横どいの両方を全部交換する見積もりを作ってもらうといいでしょう。

④保険金の確定と入金

保険金額は鑑定人が被害状況や写真、見積もりの項目を見て妥当だと道目られれば満額おります。
ところが申請したい内容が妥当だと認められない項目がある場合、例えばこの損傷は雪が原因ではない、経年劣化だと判断された場合は減額されます。
一般的に損保会社は認められやすく、共済系(JA、全労済、県民共済)は査定が厳しい傾向があります。

保険会社に送付

すべての書類を揃えたら、保険会社に送付します。
書類を送付してから保険金が確定するまでは保険会社によって違いますが、およそ2~3週間くらいです。
保険金はあなたの口座に直接振り込まれます。

最後に

一般の方は火災保険の申請になじみが薄いので、申請するのに「なんだか悪い」とか「うしろめたい」などと感じる方がいます。
でもよく考えてください。自動車事故にあったら自動車保険を使うし、病気や入院や手術になったら生命保険を使います。
事故や病気になって申し訳ないから保険を申請しない人などいませんよね。

火災保険は掛け捨ての場合が多いので、払うだけ払って必要な時に申請しないと保険会社の利益になるばかりです。
自然災害による保険申請は加入者の当然の権利です。そのことを忘れないでください。